学ラボ通信 詳細
- 学力調査の状況について(PISAおよび全国学力テスト)
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昨年12月に経済協力開発機構(OECD)が発表した学習到達度調査(PISA)
(世界81カ国の15歳69万人を対象に2022年実施)で、日本は「読解力」が3位となり、
過去最低だった2018年の15位から急回復しました。
測定されるのは国語より幅広い「社会で生きていくために必要な言語能力」で
数学や科学の問題理解でも読解力は試され、学びの基礎と位置づけています。
「数学的応用力」は5位(前回6位)、「科学的応用力」は2位(同5位)と3分野とも良好な結果
であったことから、情報活用能力と言語能力を育成することを重視して大改訂された
2021年度からの新学習指導要領の方向性は継続されるものと思われます。
一方で、文科省が昨年、4年ぶりに実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)において、
中3生の「英語4技能」の平均正答率は軒並み前回を下回る結果となりました。
(聞く力58.9%(前回比▲9.4%)、読む力51.7%(▲4.5%)、書く力24.1%(▲22.3%)、
話す力12.4%(▲18.4%))。
問題が異なり単純比較はできませんが、書く力と話す力の正答率は非常に低く、
文科省の思惑どおりには学校現場が対応できていないことが如実に表れています。
新指導要領では中学生の英単語数が「小学英語(600~700語)+中学新出英語(1600~1800語)
=2200~2500語」と従来の1200語から倍増している上に、仮定法や現在完了進行形等の
高校英文法の範囲だった内容が中学におりてきて、授業時間数に対して中学校で学ぶことが
多すぎるのが最大の要因だと思います。